水道施設耐震-動的解析対応
(2022年版水道施設耐震工法指針・解説)の改訂に基づく,実務では
①静的解析の適用範囲が限定され、動的解析による耐震計算が主となった
②想定外を設計に組み込む危機耐性の観点を導入した
③危機耐性を導入することで、どこまでを耐震対策とするか、事業体による判断の範疇が広くなった
解析例
解析ソフトforum8 engineer’s studio
1.設計条件
(2) 解析手法
耐震診断では,これに対して静的非線形解析に基づき骨組み解析を行っている。
なお,耐力の照査に当たっては以下の手法を用いるものとする。解析に当たっては,
レベル2地震動:限界状態設計法(終局限界=最大耐荷力:耐震性能2)
(3) 構造部材の非線形特性
レベル2地震動に対しては,構造部材の降伏を許容し,最大耐荷力に対する照査を行なう(耐震性能2)。
よって,部材の降伏後の挙動を表現する必要がある。これは構造部材の非線形特性として表現するものであり,一般的に曲げモーメントM~曲率φ関係に基づくモデル化を行う。これは以下のような考え方による。
RC部材は曲げ力を受けると曲げ縁端のコンクリート部材に引張力によるひび割れが生じる。これにより曲げ剛性は低下する。さらに作用力を増加させると引張側の鋼材(鉄筋)が降伏し,さらに剛性は低下する。最終的には圧縮側のコンクリートが圧壊して強度は低下していく。この関係(非線形性)を一般的には曲げモーメントMと曲げ曲率の関係で表す(M~φ)。
下図にその概念を示す。ひび割れ時がMc,φc,鉄筋降伏時がMy,φy,コンクリートの圧壊時(最大耐荷力時)がMu,φuである。
解析では,曲げモーメントに対してこの非線形関係を適用することを基本とする。
(4) 耐震性能の照査
耐震照査の基本として,下図に示す部材の曲率と発生曲げモーメントの関係に基づいて,,レベル2地震動に対しては耐震性能2を満足することを確認する。
1) レベル2地震動
各部材の耐力照査法は,水道施設耐震工法指針・解説に示されるものを基本とする。
1.曲げ耐力に対する照査
レベル2地震時の構造解析結果から,部材が曲げ破壊しない補償として,対象断面の曲げモーメントMが終局曲げ耐力を超えないことを,下式により照査する。
γi ・Md /Mud≦1.0
ここに,γi :構造物係数(1.0 )
Md :設計曲げモーメント(kN・m)
Mud:設計曲げ終局耐力(kN・m)
- 解析
- 円形管きょに対して、設計条件
※鉄筋SD345(N/mm2)
(2) 荷重計算
受領資料によるモデル化する。
(3) 地盤ばねの設定
1.5 L2地震時、照査結果